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オーストラリア出身のカメラマン、ピーター・リクは、
いつもカウボーイハットをかぶり、雪山に登り、むき出しの腕を日に焼き、
グリーンのトラックの運転席に体を押し込み、なにもない砂漠に仁王立ちになる。
リクは、最近、アリゾナの風景を光の矢が突き抜ける
『ファントム』というモノクロ写真を売りました。
その金額は650万ドル(7億7千万円)で、
写真としては史上もっとも高額な値がつけられたと言われています。
リクは美術評論家からは追放状態になっているようですが、ある新聞が書いているように、
彼の活動はバイヤーの間ではかなりの評判で、
生真面目な美術専門家にとっては相当な驚きとなっています。
2014年はこの『ファントム』と共に、『イリュージョン』は240万ドル(2億8500万円)、『エターナル・ムード』は110万ドル(1億3000万円)で売れ、高額写真の世界記録を破り
2010年には『ワン』が100万ドル(1億1800万ドル)で売れていて、今やリクの作品はもっとも高値がつくようになりました。
アンドレアス・グルスキー、シンディ・シャーマン、ジェフ・ウォールなどとともに、
リクはもっとも名声を確率した世界のカメラマンの仲間入りをしました。
彼らは皆、写真の概念の限界を破った高名なアーティストで、
世界中の有名なギャラリーで展示会を開いている。彼らの高額な作品は
オークションで売られることが多い。
今回、リクの1作品で7億7千万円という破格の売り値になったわけですが、
これまで名前を知られていなかったアーティストがどうしてこんなことを成し遂げられたのでしょうか。
それは、アーティストにしては珍しい売り込み手腕から始まっており、
「From The Edge」というテレビ番組に出たり、タイムズスクエアのジャンボトロン(ソニーの巨大ディスプレイ)で大々的に宣伝したことに始まります。
ガーディアンの美術評論家ジョナサン・ジョーンズは、
リクの『ファントム』はアートというより写真における技術の役割が向上していることを示していて、
彼の作品はひとつのレッテルでは分類できないと語っています。
ファントム』はアリゾナ州のアンテロープキャニオンで撮影されたモノクロ写真ですが、モノクロはわたしたちに一瞬、間を与えます。
どういうわけか、リクの作品はとても高値で売れる。
確かにデスクトップやスクリーンセイバーにするにはすばらしいですが
それが数億円もするのです。
確かにアートの価値というものは計り知れないものがあり、単に法外な金額がついているからという理由で、法外な金額を払う金持ちもいるのも事実。
それにしても写真一枚に7億7千万円とは、仰天です。
リクの作品、スカーレット・ムードはユタ州で撮影された
ディバインライト
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